こんにちは、てぃさんです。
業務ではプログラミングすることがなくなってしまったので、プライベートで管理システムのWebアプリケーションの開発を始めました。
自分の好きなものを造る感覚って、子どもの頃に割り箸鉄砲や段ボールで秘密基地を作ってる感覚と同じで楽しいですよね。
今回は、IT業界未経験の人が迷ってしまうだろう、IT企業の「自社サービス開発会社」、「SES事業会社」、「SIer」の違い、特徴について説明したいと思います。
転職サイトや転職エージェント、スクールの人に紹介されたまま何となく就職・転職すると後悔する可能性が高いため、少しでもそんな方へ知ってもらえたら嬉しいです。
転職サイトを見てもはっきり書いているわけではないから分かり辛いよね。。。
IT業界20年のてぃさんがその特徴をわかりやすく解説いたします。
自社サービス開発会社の特徴
自社サービス開発会社はこんな会社です↓
- ヤフー
- ウェルスナビ
- ChatWork
- Smart News
- Wantedly
普段の生活で使っていたり、仕事や転職などのビジネス向けにサービスを展開している会社たちだよ。
各サービス会社の会社概要欄の事業内容に記載している内容がその企業のやっていることになります。
参考までに、
ウェルスナビ:「金融商品取引業」
CharWork:「Chatworkの開発運営」
Smart News:「スマートフォンアプリケーションの開発・運営、インターネットサービスの開発・運営」
となっています。
ウェルスナビは自動で資産運用してくれるサービスが特徴で、バリバリシステム開発をしてますが、事業としてはあくまでも「金融商品取引」という位置付けとなってます。
こうした会社独自にシステム開発したものを、一般利用者や企業に対してサービス提供する会社を「自社サービス開発会社」とよく言います(用語として定義されているわけではないので注意)。
自社サービス開発の特徴として挙げられるのは、
- 開発サービスと距離が近い
- 深いスキルを仕事の中で身につけられる
- 技術志向の人が多い
- キャリアパスとして利用できる
などがあります。
①開発サービスと距離が近い
自社サービス開発会社に入る大きな意味としてはここにあると思います。
SES、SIerはあくまでもお客様が求めるものをシステム化するという立ち位置です。
自社サービス開発会社という立ち位置では、自身が開発したものが売上に繋がるため、やりがいは大きいでしょう。
会社によっては、自身が企画する側に回ることや求められるようになることもできます。
有名なサービス会社で開発してたら同窓会でドヤ顔できそうだな😃
②深いスキルを仕事の中で身につけられる
サービスの規模や内部システムのバージョンアップ度合いににもよりますが、自社サービス開発会社を提供している=先人のエンジニアやノウハウが詰まっています。
長年システムを見てきた先輩エンジニアや先端技術を積極的に取り入れようとする文化があるため、開発スキルがつきやすいと思います。
ただし、技術選定や基盤構築など高度なスキルを必要とするものについては、大概やりたがる人が多いため社内のライバルに打ち勝つことが必要だったりします。
スキルを身につけられる反面、スキルが高い人が多いため、駆け出しエンジニアは頑張って付いていく必要あり!
③技術志向の人が多い
②に近いかもしれないですが自分のサービスに対して、
いかによい技術で提供できるかということを常に考えている人が多いと思います。
また、経営的な観点としても技術=会社の武器という意識があるため、
最新の技術にアンテナを張る人や勉強会に参加する人であったり、
講演会のスピーカー側になる人も自社サービス開発会社の特徴だと思います。
人が変わるには環境を変えるのが早い、という話もある通りこういう環境に身を置いてスキルアップを目指してもよいでしょう。
④キャリアパスとして活用できる
サービスや会社の知名度にもよりますが、転職時に開発経験に加えネームバリューとしてよりよい条件でステップアップが可能になるでしょう。
テックリードする立場や、チームのエンジニアリーダーとして活躍している場合は、次の転職でも有利になることや、
転職を機に年収アップや役職のポジションで転職することが可能となる可能性が高いと思います。
有名企業は入社の競争率も高いため、駆け出しエンジニアだと入社のハードルが高い。
これから成長しそうな企業を選定することも考えるとよいでしょう。
人気なところは、入るのもひと苦労…
自社サービス開発会社のデメリット
そんな魅力的な自社サービス開発会社ですが、挙げられるデメリットとしては以下となります。
- 実はレガシーな技術を使っている場合もあり、思うようなスキル習得ができない
- 企業選定や面接の時に配属される部門の採用技術について確認しましょう。
- 周りのレベルが高いため、常に新しいスキルを習得しないと評価されない
- このあたりの人は、技術習得のための時間を割くことを苦に思わない、むしろ楽しんでいる人が多いです。そのような人の中で評価されるだけの自身、覚悟が必要となるでしょう。
SESの特徴
SES=System Engineering Service の略で、
簡単に言うと、IT技術を必要とする会社にエンジニアを派遣するサービスのことだよ。
基本的には、1ヶ月140から180時間で働くことで契約し、エンジニアがクライアントから依頼されたことを仕事した時間で対価を得る業態です。
IT界隈ではSES=ブラック企業だから入るな!とイメージしている人もいるのではないでしょうか。
自社サービス会社のところで説明したように、そういった会社に入ることは壁が高く、SESは比較的入社自体が容易なため、批判的な声があがりやすいと思ってます。
確かにそうだねとと思うところもありますが、多くはSESだけでなく自社サービス開発会社でも起こりうること。ということも多くあると感じてます。
てぃさんも現在はSESの形態で働いているけど満足しているよ。
SESの特徴として挙げられるのは、
- 未経験でも採用してもらえる可能性が高い
- 希望する条件の案件に参画できる可能性が高い
- スペシャリスト・マネジメントする立場としても活躍できる
- スキルがないと給与は低い傾向
などがあります。
①未経験でも採用してもらえる可能性が高い
SESはクライアントにエンジニアを派遣することで利益を得るビジネスモデルのため、人の稼働が売り上げになります。
なので、業務経験なくても自己学習やスクールで勉強しているなどの方は、転職できる可能せはあります。
ただし、未経験でできることは限られるため、単純なテストやシステム開発とはあまり関係ない案件にアサインされることがあります。
②希望する条件の案件に参画できる可能性が高い
SESの企業も人が売り上げとなるため、エンジニアの希望をヒアリングして案件を提案、参画するという流れが多くあります。
ですので、自分が身につけたいスキルの案件を希望することも可能となります。
ただし、そのスキルに対して「やりたい」「興味がある」「勉強してみたい」など仕事へ取り組む姿勢が足りない場合は、アサインしてもらうことはなかなか難しいでしょう。
少なくともそれに関する資格を取得しているや自己学習してアウトプットしているなどの姿勢を見せることが求められることが多くあります。
③スペシャリスト・マネジメントする立場としても活躍できる
SESは派遣として使いっ走りにされるというイメージを持っているのではないでしょうか?
私もSESという形態で業務を行っておりますが、クライアントとのビジネスとしてのパートナーという立ち位置で仕事をさせていただいております。
アプリ開発のプロジェクトで開発、インフラチームのメンバー20人程度のプロジェクトマネジメントを任してもらえることもあります。
他のSES企業から参画してフロントエンドのプロフェッショナルとして力を発揮されている方などもいらっしゃいます。
なので、SES=ブラックというのは、ごく一部の方の意見が大多数の意見として見えてしまっているため、決してそんなことはないということは知ってもらいたいと思います。
④スキルがないと給与は低い傾向
SESというビジネスモデルのため、クライアントと所属会社の間に仲介的な会社が存在することが多いです。
仲介の会社は仕事を紹介、提供することで中間マージンを取得しているのですが、それが多重になるほど下層の会社に入る売り上げは低くなってしまいます。
結果、その会社から支払われる給与も低い傾向にあるというのは、SESのビジネスモデルによるものだと思います。
SESってブラック企業なの?
てぃさんとしての見解は、「SES=ブラックではない」です。
理由は、
- 大手SIer管理職などの人と比較したら少ないかもしれないが、遜色ない給与も得ている
- クライアントのエンジニアチームのチームビルディングやマネジメントを行っている
- 所属会社もITS健保や社員を大事にする風土なので安心して働ける
という事実があるからです。
ただし、SES企業を見極めないと巷で言われているブラック企業が存在しているのは確かだと思います。
SIerの特徴
SIer=System Integrator(システムインテグレーター) の略称です。
システムをインテグレーション=解決する会社で、クライアントが抱える課題をシステム開発を請負い提供することで対価を得る形態の会社になります。
SIerはこんな会社です↓
- NTTデータ
- NEC
- アクセンチュア
- 大塚商会
- SCSK
有名な会社さんばっかりだね!
大手SIerともなると手掛ける範囲は本当に広いです。
公共事業や銀行システム、他上場企業の請負開発などなど。
大手SIerだけでシステム開発できるものではないため、他のIT企業と協業もしくは一部請負依頼することが一般的です。
SESもこうした大手SIerから依頼される仕事を手掛けているケースが多くあります。
SIerの特徴として挙げられるのは、
- 規模の大きい案件を経験できる
- 年収が高い傾向にある
- 福利厚生が充実している
- プログラミングなどの作業をすることはほぼない
などがあります。
①規模の大きい案件を経験できる
SIerは開発期間が数年や億単位の開発規模の案件を手掛けるなど、自社開発サービスよりも規模が大きいものが多いです。
どのような企画で仕事を受注し、開発、運用していくことになるのか一貫して経験することはエンジニアキャリアでもメリットになるでしょう。
自ら手がけたシステムが社会基盤になったりすることもあるため、やりがいになることは間違い無いと思います。
②年収が高い傾向にある
難易度が高い案件を手がけることやクライアントからの一次請負業者という立ち位置となるため、社員一人一人に対する単価も高くなり、給与も高い傾向にあります。
NTTデータを例にすると、20代で650万円、30代で850万円、40代で1000万円 が平均とも言われています。
③福利厚生が充実している
家賃補助や企業年金、研修制度など様々な福利厚生を用意している企業が多いです。
企業選択時の決め手にはならないですが、実際にあると給与以外でプラスに働くことが大きいので、気になる人はチェックしましょう。
④プログラミングなどの作業をすることはほぼない
AIやデータサイエンスなどのプロフェッショナル以外出ない限り、担当するプロジェクトにおける会社や人に対する調整も多くなります。
ですので、プログラミングすることはほとんどないため(単価に見合わないため)、プログラミングを希望する方は合わない企業体と考えます。
まとめ(自社開発サービス、SES、SIer)
自社開発サービス、SES、SIerの代表的な特徴を説明しました。
どれが良いかは人の価値観によるところというのが正直なところです。
このような人は合っているのではと思うのは、
自社開発サービスが合いそうな考え
- 一つのサービスを追求してスキルを発揮していきたい
- その中でスキルの深さを求めていきたい
- 優秀なエンジニアと同じ環境で切磋琢磨したい方
SESが合いそうな考え
- 目の前のクライアントを自身のITスキルで問題解決していきたい
- 自身で案件を選択しキャリアアップさせていきたい
- ITエンジニアとしてキャリアスタートさせたい方
SIerが合いそうな考え
- 規模の大きい案件でスキルを発揮、経験を積みたい
- 高い給与や福利厚生を手に入れたい
となります。
働き方は人それぞれです。また、一つの会社に勤め上げれば安泰という時代でもなくなった今、どれが自分の強みを発揮しながらも楽しんで仕事をできる環境で働くことが大事だと思います。
それでは。
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