何んとなくの1on1から「活きた1on1」へ

会社からの指示で「1on1」をやっているけどいまいち効果が出ているのか

メンバーと話す機会を設けているけどこのまま続けてよいのだろうかと不安になっている方、会社の方針で実施しているけど意味あるのか?と感じている方はいらっしゃるのではないでしょうか。

何となくやっているとそれは部下、メンバーにも伝わってしまい有効な時間を過ごすどころか、信頼を失いかけることにもなりかねないので注意が必要です。

そのような何となくから活きた1on1を行えるための取り組み方を紹介したいと思います。

目次

なぜ1on1をやるのか?

1on1の目的

1on1の目的、それは、部下の成長機会とそれに伴う企業利益への貢献です。

2023年9月の東京都内の企業(従業員30人以上)を対象にした調査によると、テレワーク実施率は45.2%とコロナも空けている現在において、広く活用されている状態が続いており今後も継続されるでしょう。

そのような中、テレワークの活用が定着する一方で、上司、部下、チーム内でコミュニケーションをとることが無意識の中でも減ってきていませんか?(以降、部下や管掌対象者を「メンバー」と呼びます)

昔のメンバーであれば、ある程度キャラクターを把握しながら、業務を行うことでメンバーのアウトプットや仕事上の悩みなど聞くきっかけもあったかと思います。

だけど、部や課、チームとして成果を出し続けることにもメンバーがどのような状況なのか把握することが重要だと思います。

また、現代は「VUCAの時代」と呼ばれ、変化予想が難しいとされております。

ここ最近では、AIやDX、さらにはChatGPTなど社会の移り変わりは数年で変わる中で、常に変化への適用を求められているので、情報のキャッチアップだけでも大変だと思います。

そのような中で、メンバー個々人の成長を促すためにメンバーとの信頼関係を築き上げるにも1on1が有効な手段となります。

一番最悪なのは、1on1を会社からの指示があったから、何となくやっている。というのは、メンバーとの信頼関係を逆に崩しかねないため気を付ける必要があるのです。

1on1の期待効果

  1. メンバーとの信頼関係の構築
  2. メンバーの成長機会の創出
  3. メンバーの思考能力の強化

1on1を実施すると期待できる効果として上記のことが挙げられます。

これ以外にも、業務の振り返り=リフレクションを行うことで、担当業務の作業の効率化や課題、問題意識を養うことや、メンバーの個人内の悩み(家族やプライベートの問題)なども時には打ち明けられることで、プライベートの問題が出る前に先手を打つことも期待できます。

1on1導入企業の参考例

ヤフー株式会社

日本で初めて1on1ミーティングを導入した企業の一つです。

https://about.yahoo.co.jp/info/blog/20181011/1on1.html

楽天グループ株式会社

2017年から全社的に1on1ミーティングを実施しています。

Rakuten Group, Inc.
「1on1ミーティング」が生み出す、楽天流・コンピテンシー開発 | 楽天グループ株式会社 楽天グループ株式会社の採用情報。「1on1ミーティング」が生み出す、楽天流・コンピテンシー開発についてご紹介します。

株式会社テモナ

株式会社テモナでは、1on1ミーティングを導入して離職率を20%から0%に低下させたという驚異の効果があったようです。

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1on1の基本ルール

1on1をルール化する

1on1を実施する上で重要なことは、1on1を実施するためのルールを明確化しメンバーと共有(必要に応じて上司などにも)しておくことです。

また、その上で、必ず実施することがとても重要です。

上司として気を付けなければならないこととして、忙しいからということを理由に実施しないことは、メンバーとの信頼関係を構築するためにも避けるべきことです。

そのようなルール化して実施できない上司の管理能力を疑われることにもなりかねません。

実施タイミング

タイミングについては決まったものがありませんが、1on1の対象メンバーの人数や自身の業務内容にもよるでしょうか。

メンバーから見たときに固定のタイミングで予定されていると業務の調整や話すネタを事前に考えやすくなります。

これまでの経験上、週に1回15分隔週に30分という感覚が実施しやすいと思います。

また、休みや重要な会議があるのも事実なので、どうしても予定の変更が必要な時は前後の時間や日にちをずらすなど、メンバーと事前にルールも取り決めておくとお互いに気を使いすぎないでよいでしょう。

1on1を活かすためのマインドセット

メンバーは急には成長しない

どうしても上司の立場からすると、メンバーが成長しているのか歯がゆく感じる場面もあるでしょう。

振り返ってみると多くの上司もメンバー時代は元上司が同じように感じていたことでしょう。

それを棚に上げて、メンバーへ成長の押し付けをするのではなく、「どうすればよりよくなるのか」を並走してアドバイスをするようにしましょう。

まずは、上司自らメンバー自身を信頼するところから始めましょう。

※信頼する=丸投げにすることではないので注意です。

メンバーの承認欲求を満たす場ではない

1on1の所作の1つとして「相手の話を聞く場」ということが挙げられます。

一見すると、1on1の中ではメンバーから成果を出したことの報告を受けることもあるでしょう。

上司の立場からすると、通常業務の一環としての成果の範囲内であることから称賛するには値しないこともあるでしょう。

「誉めて伸ばす」は小学生まで。

ちょっと厳しいようですが、あくまでもビジネスの場であるため、なんでもかんでも誉めることは本人のためにも、組織のためにも効果的ではありません。

些細なことで上司が誉めると、メンバーをいい気分にさせてあげることはできても本当に「本人のためなのか」それを考える必要があるのです。

同じような言葉で「感謝」はありますが、こちらは比較的利用するシーンは「誉める」より多くなると思います。

言葉で言うと「ありがとう」となります。

例えば、議事録を率先して作成してくれたメンバーに「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えることは必要だと思います。

ただし、内容としてイマイチであれば、理由を付けて指摘をしないとメンバーの仕事の質は上がっていかないでしょう。

上司の立場として、チーム活動を円滑にするためには言葉の使い分けを正しく行う必要があるのです。

上司も1on1で成長させてもらっている

傾聴力、ヒアリング力、質問力、伝える力、理解力、実行力、フィードバック力などなど 通常の業務上の仕事とは異なる能力が1on1には求められると思います。

今時でいうと、コーチングの能力というのでしょうか。

答えを与えないけど、メンバー自ら考え答えを導き出してもらう。

せっかちな人だと「こうすればええねん!」って言いたくなりますが、それだとメンバーが考えたことではないので、再現性がないのです。

魚を与えるのではなく「魚の釣り方を教える」のです。

そして、上司の立場としてコーチング能力を試させてもらえる機会を活用することは感謝でしかありません。

上司一人に力ではなしえないことをメンバーの成長機会を持つことで、メンバー個人、チーム、組織全体としてできることが少しづつでも増えていくことを実感することができるのです。

明日から始める実践1on1

始めて1on1をやってみる人も、これまで取り組んでみたがやり方として本当に正しいのか不安に思っている方もいると思います。

明日から実践できる1on1について紹介したいと思います。

テクニックに頼らない!

1on1もコミュニケーションの単純な手段の1つにしかなりません。

何が必要か、、、、

相手に関心、興味を持って接すること!

が大前提としてあると思います。

メンバーが大事にしていること、人生として叶えたい事、今の職場で叶えたい事、様々なバックグランドが一人一人にあるのです。

仕事をしているだけではわかりえないこともたくさんあるのです。

仕事と直接関係ないかもしれない趣味を聞いたら、アニメ好きで他のメンバーとのつながりに貢献して、チームの雰囲気が良くなったこともあったりします。

もちろん人から引き出すためにはコミュニケーションのテクニックも必要ですが、あまりそれにこだわりすぎないことも大事なのです。

1on1の感想を最後に聞く

1on1の感想をメンバーに聞くこと。これもすぐに実践できることで重要だと思います。

個人的には毎回出なくてもよいと思います。

毎回聞いていたら、事務的な回答になる可能性があるためです。

効果的だったか消化不良かな?と感じるようなときに聞いてみるとよいと思います。

そのフィードバックを次回に反映することで相互の信頼関係の構築にもつながるでしょう。

メンバーから上司にフィードバックすることになるので、信頼関係がないとメンバーも言いづらいですから。

沈黙を恐れない

1on1やっているとあります「沈黙」。

上司側が沈黙することはないと思いますが、メンバーに質問しても「大丈夫です」「問題ありません」というような場合です。

メンバーも端的に答えているだけで悪気があるわけではないでしょう。

本当に問題がないのか、何か工夫をしたことでその効果が合わられたのか、上司から少し深掘り=リフレクションする意味合いで質問してあげるようにしましょう。

まとめ

簡単ですが、明日から実践できるための1on1について紹介しました。

1on1を通してメンバーの成長機会を作り、成長した成果を組織にもたらすことができれば、上長として嬉しいことはないでしょう。

1on1の書籍もたくさん出ていることなので、それら書籍から自身のやり方、考え方をもって取り組んでもらえるとよいのではないでしょうか。

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